展示期間2014. 2.07 (fri.) - 3.09 (sun)  2014
開廊時間12:00 - 19:00 (木〜日曜日 )
休廊日月・火・水曜日
open thu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon., tue., wed.
出展作家: TAKCOM(moving image)
魚住勇太 (Sonir / from SjQ)/Yuta Uozumi (sound)
吉濱翔/Syo Yoshihama(mixed media)
展示作品: 映像、音、ミクストメディア、及びインスタレーション

本展 「有色雑音 /カラードノイズ」展ではTAKCOM(映像)、魚住勇太(音)、吉濱翔(インスタレーション)というそれぞれメディアの異なる作家を紹介します。
彼等の作品を通して私たちは、人間に備わっている知覚のバランスや使い方に意識を向けるきっかけを得ることができるでしょう。
一つの空間で同時に3作家を紹介します。それぞれは独立した構成ですが、部分的に干渉し合う展示となります。
近年国内外で注目され高い評価を得ている3作家を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。ぜひご高覧ください。

*尚、この展覧会は『恵比寿映像祭 2014 TRUE COLORS』(2/7〜 23 開催)における地域連携プログラムに参加しています。

◆恵比寿映像祭 公式HP:http://www.yebizo.com/


Exhibition Review

text by 畠中実

ホワイトノイズは、全ての周波数に分布する不規則に運動する波で、そのスペクトル密度が均一の強度となるもの。 テレビのアナログ放送に見慣れた向きには、放送終了後の音と画面に現れる「砂嵐」と言えば、ただちに了解されるだろう。名称は、あらゆる光を足し合わせると白色になることに由来するという。一方、カラードノイズは、スペクトル密度が均一ではないものを言い、そのスペクトルを可視光に置き換えると、ある特定の色に偏向していることから、ピンク、ブルー、グレーといった色の名前を持った種類がある。

『有色雑音/カラードノイズ』は、TAKCOM、魚住勇太、吉濱翔という、それぞれが異なる領域で独自の活動を行なう三人のアーティストによる展覧会である。三人は、これまでに同じ展覧会に参加したことはなく、一見して活動分野も異なるように見えるだろう(実際には、TAKCOMと魚住は旧知であるが吉濱とは初対面)。しかし、この直接的に関連していないように見える、異なる表現媒体、表現手法による三人の作品が、それぞれに展覧会を構成するスペクトルとしての役割分担があるのが特徴だろう。この展覧会の紹介文によれば、展示作品はひとつの空間で同時に展示され、それぞれは独立した構成をもっているが、部分的に干渉し合う、とある。TAKCOMの作品は鑑賞のためにブースに入らなければならないし、吉濱の作品も一部はモニターのブースが用意されていたから、空間を共有しているとも言い切れない部分は多少なりともあったにせよ、たしかに、三人の展示は、それほど広くはない展示室の同じ空間を共有しつつ、かといってそれぞれが均質な強度で掛け合わされて、3種類の色があるひとつの色に結実するといったことではない、組み合わせの妙を醸し出していた。

TAKCOMは実写映像を反復し、画面を幾何学的に再構成したオーディオヴィジュアル作品、魚住は相互に反応し、生命のように振る舞うオートマタによる印字と音響の自動生成環境、吉濱は映像と写真による屋外の自然環境での即興演奏のドキュメンテーションをそれぞれ展示した。それはむしろまったく傾向を異にした作品どうしであったと言ってよい。しかし、そのような組み合わせであったからこそ、それぞれのアーティストのスペクトルを互いに打ち消し合わない、白になることのない、三人三様の色が見えていたのかもしれない。線香花火が、どこかジョン・ホイットニーのコンピュータ・グラフィックスのように見えるTAKCOMの作品が、互いに反応し合い、時折音を発しながら感熱紙に記号を印字していく魚住の装置の生き物のような振舞いと、あるいは、魚住の装置の挙動が、吉濱の作品に登場する即興演奏の参加者たちが、思いのままに行動し、演奏に興じる様とどこか共鳴し合う。それぞれの作品との距離感によってバランスを保たれた、均質化されない空間とその場での体験の推移。そこで生起する共通項とその連続性、接続、といったことが有機的に組み合わされることで、 それぞれの作品を通したスペクトルを垣間見ることができた。

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