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高橋功樹『works』

©Koju TAKAHASHI


展示期間2018年2月16日(金)- 3月25日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日 + 臨時休廊 3月5日 - 3月14日
レセプション2月17日(土)18:00 - 19:30
同日 18:30より作家によるトークがあります。※入場無料

高橋功樹 (b. 1987) の作品や彼の活動を、今日まで誰一人として知らない、見たこともない、 おそらく家族でさえも。彼が画家を目指した10 年前から、肩書きや出自、自身の名前さえも表に出すことを敢えて拒み、奈良桜井のアトリエで読書と作品制作をただひたすら自らに課して過ごして来た。2018 年春、ついに彼は動き始める。芸術とはある意味において救済だと考える高橋の、漆喰と瓦礫を使った表現がいよいよ人目に触れる日が来た。彼にとってこの展覧会 は、「奇跡」への第一歩になるに違いない。




archive -2017-

赤井正人『ことよのほら』

©Masato AKAI


展示期間2017年12月23日(土)- 2018年1月28日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日 + 冬季休廊 12月26日 - 1月3日
レセプション12月23日(土)18:00 - 20:00
作家トーク12月23日(土)18:30 -
※入場無料

奈良県吉野郡天川村は、古くから修験の道場として名高い大峰山を擁し、今も世界各国から修験僧が季節を問わず多く集まる聖地になっています。
赤井正人は、その懐ともいえる洞川温泉峡に生まれ、家族が大峰山頂の修験僧の宿泊所を運営している事もあり、幼少から修験の現場を間近に見て育ちました。
今回の展覧会では、修験僧達をはじめ、異界と現世をまたぎながら山に棲まうモノノケ達の声を聞き、それを絵画に起こして来た赤井の独特の表現をご覧いただきます。

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作家ステートメント

奈良、和歌山、三重に連なる紀伊山地の山々は、古来より神が棲まう地として崇められてきました。約 1300 年前、大陸からの思想が入り桃源郷や仙境とも謳われ、人々の信仰の対象となり、今もなおその信仰は続いています。 私は、信仰の対象となる山々で遊びまた学ぶ中でいつしか画家を志し、太古から続く山々で起こる人々の現実や幻想に目が行き、それを描くようになりました。 山で棲まう者の生活、山を行き交う様々な人々、語り継がれる神話、民話、歴史、現代における山での問題、環境変化 、ハイスピードで進む現代社会。 絵描きの視点から現代に起こる物事を見つめ、また時にはそれら全てに背を向け考えています。現代に生きる画家として、ただ山に生きる一人の人間として、何が出来るのか模索したいと思っています。
文:赤井正人




Daniel Belton and Good Company Arts.『EMAKI & ONEONE』

©Daniel BELTON


展示期間2017年11月17日(金)- 12月17日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション11月17日(金)18:00 -
※レセプションに併せてライヴパフォーマンスが行われます。
※大歳芽里がダンサーとして参加します。
※入場無料・作家が来日します。

D・ベルトンはニュージーランド(以下 NZ)で Good Company Arts を主宰し、ダンスの演出家、映像作家として活動しています。
『EMAKI 絵巻』は、日本と NZ 両国のダンス、文楽、音楽、デジタル・アニメーションに携わるアーティストによって共同制作 された映像作品で、主人公が絵巻の中に入り、現代と古代を行き来する物語です。
絵巻が映画やアニメーションの原点であるこ とを物語る作品だとも言えるでしょう。
また『EMAKI 絵巻』はこの程 NZ で高い評価を得て、NZ 最大級のダンス・フェスティバル Tempo Festival に正式に招待されています。
同時に公開する『ONEONE』(2015) は、マオリ族の言葉で「土」や「地球」を意味し、NZ の自然や神話に基づき創られた映像作品です。
今回は NZ の川の石でつくられた楽器 hollow stone を用いたライブ・パフォーマンス(大歳芽里がダンスで参加)も予定しています。
また映像作品の他、スペシャル・リミテッド・エディションのジークレープリントも展示します。
日本では触れる機会の少ない NZ のダンスとデジタル・アート(映像+写真)を、是非この機にご高覧下さい。




鷲津民子『− through '17 − 飛ぶ家』

©Tamiko Washizu


展示期間2017年9月15日(金)- 10月15日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション9月16日(土)17:30 - 19:30
※入場無料

Gallery OUT of PLACE NARA は、9月−10月期の展覧会として鷲津民子による個展 − through '17 − 飛ぶ家 を開催いたします。
鷲津の作品・作風には「もの派」や「アルテ・ポーヴェラ」的なアプローチを感じさせつつも、その邪気の無い自由闊達な造形や空間構築の中に、芸術が本来持っている「作ることの喜び」と「見ることの楽しさ」が思う存分に発揮されています。
今回の個展では、washizu drawing と名付けられた「本」の作品を元に、そこから飛び出した立体物が命を吹き込まれたかのごとく、ギャラリー空間いっぱいに設置されることになります。この機に是非鷲津の造形作品をご体感ください。

》鷲津民子 プロフィール




関智生『Real/Red 赤いさくら』 『青花』

©関智生


展示期間2017年4月21日(金)- 5月21日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション4月22日(土)18:00 - 20:00
※入場無料

この度Gallery OUT of PLACE NARAは、4-5月期の展覧会として 関 智生『Real/Red 赤いさくら』 『青花』を開催します。

本展では、関智生が2004年から制作を続ける、アジアの植生をカドミウムレッドで描いた赤い風景のシリーズ「Real/Red」と、 近年平行して新たに取り組んでいる天然群青を用いて描く「青花」との、2つのシリーズを紹介します。是非ご高覧下さい。

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地域に根差した表現は、世界の人々の共感を得られるか? Real/Redシリーズは室内でOHPを用い、モチーフにわが国を代表する花、さくらを描いた。一方、「青花(せいか)」と題するド ローイング は、実際の風景を目にして制作している。新シリーズ「青花」は、天然岩群青を使用した。理由は、中国人が陶磁器に呉須(ごす)を用いて表現 したあこがれの青を、絵画で再現し近づけようと試みたからだ。「青花」という名は、その陶磁器の名称による。
Real/Redシリーズの最近の変化として、「有孔色面」があげられる。これは色面に丸いかたちの孔があり、その孔が色面に対して明 度が高く (明るく)なった状態を示す。孔のない色面は画面平面上で中に閉じようとするのに対し、孔を持つ色面は内部に明度の反転が現れ、横に広がろ うと働く。初期キュビスムを「明度」という点で、さらに展開させたいと願った。

「青花」のドローイングの額装マットには、金箔が施されている。天然岩群青と金箔の組み合わせは桃山時代の障壁画におおく見られる特徴だ が、可動可能な支持体であるかつての絵画には、室内空間を飾る目的があった。この青と金のコンビネーションから、桃山時代の豪華な美意識を 表現したい。時代のうねりから生まれた桃山期のそれを、飾るという目的で現代空間に復活させたいのだ。

Real/Redと「青花」二つのシリーズが、同一に展示されることで、赤・青・金という色相の相乗効果はもとより、東西というコンセ プチュアル な意味において同時代的でユニバーサルな空間が生まれることを期待する。
(文:関智生)

》関智生 プロフィール




archive -2016-

やまもとひさよ『土偶の私』

©やまもとひさよ


展示期間2016年11月11日(金)- 12月11日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション11月12日(土)18:00 - 20:00
※入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARA では、やまもとひさよ による「土偶の私」(写真展)を開催いたします。
やまもとひさよ はこれまで、「映画への偏愛」「友情の残虐性」「お姫様変身願望」など、自身が耽溺する趣味や内面の苦悩、夢想などをテーマに写真作品を発表してきました。
今回の展覧会は「土偶の私」「かけら」「縄紋」の3つのシリーズから構成されており、自身の肉体やヌードを被写体に、土偶と言う半神半人の姿に彼女自身の「女性」を重ねあわせた【セルフポートレイト】に果敢に取り組んでいます。古代の偶像の姿を借りながら、女性として、美術家として現代社会を生きる上で感じざるを得ない「痛み」を表現しようとしています。真正面から自身の身体と内面を見つめようとする、非常に原初的で力強い写真群を、是非この機にご高覧下さい。

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この作品は、土偶としての私のセルフポートレートです。
私と土偶との出会いは、数年前に開催された、縄文土偶の大規模な展覧会でした。私には、土偶たちはどれも奇妙で、魅力的で、恐ろしくて、可愛くて、不思議な力強さがありました。そしてその中の、ひとつの土偶の姿が、特に強く私の心を打ったのです。
それは「脚を曲げる土偶」と名付けられた、約2800年前の土偶でした。手足を曲げ、口を三角に開き、両目は細く、閉じているようにも見えます。展示ケースの彼女に向き合ううちに、私はそこに強い痛みのようなものを感じて、涙さえ出そうになったのでした。
土偶のほとんどが、女性をかたどったものだそうです。たしかに女性らしく、豊かな乳房を持つものや、腰が太くどっしりした体型のものもあります。豊かな自然の恵みを願うための「豊穣のシンボル」だと言われるのも、そのためでしょう。
でも私は少し不思議でした。私があの「脚を曲げる土偶」から感じたものは、確かに痛みだったからです。「豊穣」のシンボルから、なぜ痛みを感じるのでしょうか。

土偶について何も知らなかった私は、何冊かの本を読んでみました。もちろん推測なのですが、土偶が女性の姿をしているのは、やはり、女性の生殖能力に象徴される、自然や大地の生産力を表現するためだったようです。「母なる大地」からの恵みに頼って生きる縄文人が、豊穣への願いを込めて女性の姿を作ったというのは、理解できる話です。
不思議なのは、出土した土偶のほとんどが、どこかが壊れ、欠け、バラバラになっていたということです。考古学では、ある儀式のために意図的に壊されたと考えられているようです。でも、どうして壊す必要があったのでしょう?
神話学者の吉田敦彦氏によると、母なる大地の女神が殺され、バラバラにされたその死体から、人類の食料となる物が生まれた、という信仰を、縄文人は持っていたと考えられるそうです。ちょうど、イモをバラバラに切って土に埋めると、ひとつひとつから新しい苗が生えるように。
そのような信仰と儀式のために、土偶は作られ、壊され、埋められたというのが、吉田氏の仮説です。
「豊穣」の象徴である、女性。その死と解体、そこからの「再生」が、大地の豊かな実りをもたらす。その話を読んで、私が土偶に感じた痛みのわけが分かったような気がしました。

豊穣な実りのためには、個体としての女性はいったん犠牲となり、解体され、再生するという苦しい輪廻のプロセスを経なければならないことを、土偶は私に教えていたのです。それに気づいたとき、以前から考えてきたセルフポートレートという方法で、私も土偶を作ってみようと思いつきました。
多くの民族では、土器を作って焼くのは女性の仕事だそうです。土偶を作ったのも女性たちだったのでしょう。縄文の女性たちが大地から土を採り、自分たちの身体をモデルに土偶を作ったように、私も自分の身体を素材に、写真という形で自分なりの土偶を作り、死と解体と再生の循環をイメージの世界で体験し、表現してみようと考えました。
(文:やまもとひさよ)

》やまもとひさよ プロフィール




中島麦『WM new works』

©中島麦


展示期間2016年10月7日(金)- 11月6日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション10月8日(土)18:00 - 20:00
※作家によるトークがあります。入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARA では、中島麦による「WM new works」展を開催いたします。

中島麦はこれまで、テクスチャーの全く異なる2つの抽象絵画を同じ空間に「対」で見せるというコンセプトのもと、 シリーズ「星々の悲しみ」(2013)、「悲しき南回帰線」(2014) を発表し、抽象絵画の可能性を追求してきました。 今回発表する新作「WM」はそれをさらに発展させ、その完成形とも言えるシリーズになっています。そこには「対」を越え、 あらたに「廻」というテーマに辿り着いた画家がいるように思われます。

「WM」というタイトルは有無(ウム)と読むこともでき、二律背反がテーマだと捉えられるかもしれません。確かに「W」 と題された複雑な画面の絵画(垂直方向のベクトルをもち、無数の微小な粒子で画面全体が構成されている)と、シンプルな画面の「M」(絵具の巨大な一滴がキャンバスの水平面に垂らされ画面全体を覆っている)との、一見全く違う2種類でこのシリーズは成り立っているのですが、実は2つは同じ事象を捉えていると言えます。 粒子の数や大きさの違い、あるいは重力のかかり方や描画の行程に違いこそあれ、観者の目の前にあるのはどちらも「絵具の粒」に他ならないのです。

またこうも例えられるでしょう。
「W」は空から降ってくる雨:垂直にかかる重力の動態(瞬間)が描かれており「M」では雨によってできた水溜まり:重力の静態(凝縮された時間)が描かれている、と。

有ることと無いことでさえ、実はそこに大きな違いはないのかもしれません。全ては廻り廻る無限の宇宙の一局面に過 ぎないことが「WM」において示唆されているようです。まさに抽象絵画の面目躍如とも言える、壮大なテーマを下敷きに描かれた中島麦の新作を是非ご高覧下さい。
(文:野村ヨシノリ/ Gallery OUT of PLACE)

》中島麦 プロフィール




安藤栄作『 約束の船・2016』

©安藤栄作


展示期間2016年8月19日(金)- 9月25日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション8月27日(土)17:30 - 20:00
※作家によるトークがあります。入場無料

安藤栄作は、2011年3月11日に起きた東日本大震災と巨大津波によって、アトリエはもとより保管していた作品など、家財の一切合切を無くしている。
更に原発事故に追い討ちをかけられるように移住を余儀なくされ、現在は関西を拠点に制作活動を続けている。

昨年開催された【学園前アートウィーク2016】(奈良市)で、私ははじめて安藤と一緒に仕事をさせてもらった。
ある大企業の社長の古い邸宅がその舞台となったのだが、安藤はその一室に船あるいはカヌーの形をした木彫を設置した。
ただしその船は中央で二つに切断されており、大きなガラスの窓越しに半分は野外に雨ざらしの状態で、半分は屋内に展示された。
まるでガラスの内側から外側に向かって突き抜け、2つがつながっているかの様に...
安藤は何を意図してこの作品を創ったのだろうか? アートイベントのテーマ「イマココカラ」は、空っぽになって行く日本の街(地域)に対して出展作家からなんらかの提言をしてもらおうと付けられたものであったが、安藤は自身の体験を元に、世界に安全な場所などは無い、不安は大きくとも未来に向けて漕ぎださねばならないと、この作品を通して訴えていたように思える。船の形はしていてもそれは単なる乗り物ではなく、我々に進むべきベクトルを示す方位磁石の針のようなものであったと、後日作家自身も語っている。

安藤には、昨年来それと同時進行で創り続けているもう一つの作品「ガザのこども達」というプロジェクトがある。
これは、2014年イスラエル軍によるガザへの軍事侵攻によって犠牲になった、パレスチナのこども達の「鎮魂」のために始まった作品だ。
安藤はまるでなにかに憑かれたかの様に、今も毎日休む事無く一体一体彫り続けているものだ。
現在そのヒトガタの数は、既に千体を越えている。
千体の木彫群を目にした者は、そこから強いオーラが発せられるのを感じずにはいられない。
それらはもはやガザのこども達を通り越え、世界中のすべての人間に向けられた安藤の強い「鎮魂」の思いに他ならない。

今回 Gallery OUT of PLACE では,'15〜'16 に安藤の手によって彫り出された2つの別の作品が、敢えて同じ空間で展示される事になる。
安藤が振り下ろす斧によって彫りだされた千体の「ヒトガタ」と、船の形を借りた木の造形物が指し示す「ベクトル」。
そして穿たれた無数の刃の痕に、来場者はまさに日本の進むべき未来を透視する事になるだろう。(文 : Gallery OUT of PLACE 野村ヨシノリ)

》安藤栄作 プロフィール




José Pedro Cortes『José Pedro Cortes』

©José Pedro Cortes / シリーズ COSTA より


展示期間2016年7月9日(土)- 8月7日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日

ポルトガルの新進気鋭の写真家 José Pedro Cortesを、東京展(2016年4 - 5月)に引き続き奈良で紹介いたします。
作家は近年、ヨーロッパ写真界のニュージェネレーションの旗手として取り上げられる機会も多く、ポルトガル国内はもとより広くヨーロッパで活躍しています。
今回の展覧会では、リスボンの南側に広がる広大な浜辺を撮ったシリーズ『COSTA』を中心に展示いたします。
地中海西部の明るい陽光が降り注ぐ中、どこかアンニュイで退廃的なムードを持つ美しいプリントを是非ご高覧下さい。

また作家は、4年前EU・ジャパンフェストによって選出され、日本に滞在し富山県を取材。
ヨーロッパの写真家が見た「富山」を果敢に撮影しています。日本にも多くのファンがいます。
会場では、展示写真作品はもちろん、作家の写真集(4種類)も販売しております。

》José Pedro Cortes プロフィール




西川茂『under construction or destruction』

©Shigeru NISHIKAWA / シリーズ Sealed House より


展示期間2016年5月20日(金)- 6月19日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション5月21日(土)18:00 - 20:00
※作家が在廊致します。入場無料
※18:30頃より作家によるトークがあります

西川茂は2009年以降に関西を拠点に画家として発表し始め、繊細な画法と大胆な構図を持ち味として精力的に発表を続けてきました。しかし、2013年以降の数年は対外的な活動を極力減らし、原点に立ち返る中で画家として新しく強固な自己を確立することに専念していました。2015年後半からは徐々に目を外に向け始め、この度「under construction or destruction」という新シリーズを携え、本格的に再始動することになりました。
シリーズ「under construction or destruction」は、街でしばしば見かける養生シートで覆われた建設中の建造物をモチーフにした作品群です。そこには環境や自然に対する作家の深い思いや考察が反映されています。
是非この機に、西川の筆致が描き出す油彩の醍醐味をご鑑賞いただき、その奥に込められた現代社会へのメッセージを感じ取っていただければと思います。

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これまで私にとっての絵画とは、自己を取り巻く環境と精神との調和を作り出す為の行為であり、絵の具によって画面に定着された静謐な世界であった。
しかしこの数年、私の中にある変化が起こり始めているように感じている。
小さな魚の巨大な群れが水中を移動する時、実際には小さな魚の個別の意志の集合体であるはずが、流動する群れ自体が一つの意志を持っているかのように動いている。
その絶えず変容していく様態はいつまで見ていても飽きることがない。
描くという行為を筆のタッチの積み重ねであると捉えたとして、あの巨大な魚の群れが瞬時に変容するようなイメージを私自身が作り出すことは可能であろうか。
描き方(タッチ)から適したイメージを選び積み重ねることで、見慣れた対象やありふれた風景が絵の具の塊となり、どのような画面がそこに立ち上がるのか。
これまで考えていた調和や静謐といった世界が崩れ出し、新たに変容し形作られる場を描く事ができるのではと、私は今考えている。(文:西川茂)

》西川茂 プロフィール




上瀬留衣『一昨日見に来てください』

kamiserui / oxymoron


展示期間2016年 2月26日(金)- 4月10日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日 / 3月14日(月)- 3月30日(水)
レセプション 2月27日(土)18:00 - 20:00
※作家が在廊致します。入場無料

上瀬留衣は2010年に大阪芸術大学を卒業後、従来の造形作品の概念を超えて、自身の身体を展示の一要素として期間中ずっと登場させ続けたり、会場が不穏かつ不条理な構造物によって埋め尽くされるようなインスタレーション作品を精力的に発表してきました。上瀬の活動は、自己の精神を分析し周囲との不協和音を敢えて現代美術作品として社会の中で顕在化させ、結果美術表現の可能性を更に拡大させようとする私的な挑戦と捉える事ができるかもしれません。

今回の個展においては、作家が欲する「意味の通らないある状況」を、自己矛盾をキーワードにギャラリー空間にまるごと設置しようとします。この機に是非、上瀬留衣による得体の知れない世界をご高覧下さい。

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私が持っている個人的な感覚のいくつかは、現実世界とはまた別の「どこか」に置かれていると感じる事があります。
例えば、「私は他者から生まれたくなかった」「勝手に煮物に味が染み込んで欲しくない」「やった覚えのない犯罪の犯人は実は私である」といったものです。
それは現実世界が主に物理的な事象によって成立しているのに対して、おそらく個人的な感覚は必ずしも物理現象では捉えきれないものだからなのでしょう。
しかしだからと言って、その個人的な感覚を当人は安易に扱ってもいいという事にはなりません。
なぜならその感覚は、私の場合、現実世界と帳尻を合わすためにはなくてはならないもので、あくまで当人の自覚のもと付いてまわるものだからです。

「どこか」に置いていたはずの個人的な感覚は、心理的に自己を拡張できる状況においてしばしば現実世界に持ち込まれます。
と同時に、現実世界と個人的な感覚が置かれた「どこか」の境界は曖昧になります。
しかし物理的制約のある現実世界と「どこか」に置くことにした感覚は共存できず、結局もう一度その感覚を「どこか」へと置いてくることになるのです。

今回、oxymoron(自己矛盾と訳す事ができるでしょうか)を展覧会のタイトルとし、上記のごとく2つの世界を1つにし、そこにいようとしては失敗する行為を、一つのインスタレーション作品として存在させようと思います。(文:上瀬留衣)

》上瀬留衣 プロフィール




archive -2015-

Julia Baier 『LEVITATING WATER』

©Julia Baier / シリーズ LEVITATING WATER より


展示期間2015年 11月27日(金)- 12月27日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日

この度 Gallery OUT of PLACE NARA ではジュリア・バイエル『LEVITATING WATER』展を開催いたします。
ジュリア・バイエルはベルリンを拠点に活動する写真家です。2005 年に日本を訪れ、彼女の名を世に知らしめたシリーズ「パブリックバス」をGallery OUT of PLACE(奈良)において発表しました。ヨーロッパ各地のプールや公衆浴場を訪れ、水辺に集う人々が見せる一瞬の表情や行為を水の躍動感や透明感とともに捉えた写真は、非常に新鮮でセンセーショナルな話題を写真界にもたらしました。また日本に滞在中に撮ったスナップをまとめた写真集「SENTO」では「湯」にまつわる日本人の精神性を鮮明に浮かび上がらせ高い評価を得ています。
写真集「WATER MATTERS」(’ 13 発刊)には、2000 年以降彼女の眼が捉えたさまざまな「水」の場面がおさめられています。この写真集を含めた彼女の写真家としての功績が評価され、2014 年ウェッツラーに完成したライカセンターでの「10 x 10」展の1人に選ばれるという名誉を授かっています。更にそれを機にライカ創立100 周年記念の " Augen auf! " 展にも出展し、現在もドイツ主要都市を巡回しています。
Gallery OUT of PLACE TOKIOでの 2015年9-10月に開催した個展に続き今回の展覧会では、シリーズ「WATER MATTERS」を中心に、今春アイスランドでの滞在制作で生まれた新作も初公開いたします。日本ではなかなか目にする機会のない、ヨーロッパ写真における「今」を代表するジュリア・バイエルの作品群をこの機に是非ご高覧下さい。

*本展は2015年9-10月期に東京で開催した展覧会を関西に場所を移し再編成し紹介いたします。

》Julia Baier プロフィール




寺田 真由美 - 温湿シリーズ vol.2「視る眼差し × 看る眼差し 」

  • 寺田 真由美『温湿シリーズ vol.2』

©Mayumi TERADA / pivot window with coconut tree 151501p / 2015


展示期間2015年 9月25日(金)- 10月25日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション 10月10日(土)18:00 - 20:00
※作家が在廊致します。入場無料

'14 から始まった温湿シリーズの第2弾として、主にカラー作品を新たに発表いたします。
また近年寺田は、撮影素材の 模型としてではなく独立した立体作品を制作しており、その中から数点セレクトし公開いたします。
ミニチュアの小空間 が大きく引き延ばされる、あるいは写真を写真の中で再度撮影するなど、写真表現ならではの方法や効果を巧みに取り入 れ、銀塩のモノクローム写真作品を 2000 年以降世界各地で発表しています。
最新シリーズの中では、更に新たな表現形 式として色彩と3次元の世界に挑む寺田ですが、今回も「不在/実存」というテーマは引き継がれており、眼差しを「視る」 と「看る」に敢えて分立させ、そこに横たわっていた人がその時何をどんな風に見ていたかを浮かび上がらせようとして います。
寺田真由美の深く新しい「眼差し」を是非この機会にご高覧ください。

》寺田真由美 プロフィール




from 8 Selection/Collection  セレクト・コレクト スエヒロガリ展

  • from 8,Selection/Collection,セレクト・コレクト スエヒロガリ

展示期間2015年 8月21日(金)- 9月20日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
レセプション 8月22日(土)23日(日) 両日とも18:00 - 20:00
※作家が在廊致します。入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARAは 2015年 8 - 9月期の展覧会として、from 8 Selection/Collection セレクト・コレクト スエヒロガリ展を開催いたします。

8という数字を横向きに書けば「無限大」を意味する記号になります。また「八」という漢字は末広がりを意味し、古来日本では幸運をもたらす数字として愛でられてきました。今回8人の作家をフィーチャーし、彼等の無限の表現力と末広がりの発展を期し、近作・新作の中から”小粒ながらもぴりっと辛い”、優れた作品約30点を一堂に紹介いたします。残暑の厳しい季節ではありますが、この機に無限に広がる8通りの小宇宙を是非ご高覧下さい。

出展作家 artists
大西康明 Yasuaki Onishi (painting)
隠崎麗奈 Reina Kakurezaki (sculpture)
小林且典 Katsunori Kobayashi (photography + sculpture)
中島麦 nakajima mugi (painting)
野村康生 Yasuo Nomura (painting)
山江真友美 Mayumi Yamae (painting)
やまもとひさよ yamamoto hisayo (photography)
山本優美 Masami Yamamoto (sculpture)




関智生『Real/Red 老婦人の庭』


展示期間2015年 7月10日(金)- 8月9日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
openthu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed
レセプションパーティー : 7月11日(土) 18:00 - 19:30
※作家が在廊致します。

本年3月Gallery OUT of PLACE TOKIOで発表したReal/Redの新作に加え、作家が昨年よりはじめた青一色で描く「青花」のシリーズからも数点展示いたします。

初期キュビスムと日本南画にあこがれて どのように対象物を眺めたら、このような絵が描けるのか。初期キュビスムの作品に触れた時、そう感じたものでした。茶色と灰色を基調としたそのかたちは、幾何学形であらわされ、なんとも異様に感じました。 同じころに知った日本南画も不可思議で、木々の葉むらはドット(記号)に置き換えられ、自分の認識する自然からほど遠い表現に感じられました。
しかしこれらの作品を再考したい気持ちが高まっています。例えばそれは、南画の葉むらの色面に見られる「反転する明暗」であり、キュビスムの色面における「前後関係の反転」であり、そして南画の「起筆・送筆のリズム」等です。両者に共通する「触覚的な筆跡」も気になります。 初期キュビスムと日本南画をはじめて知った時の衝撃は、これらの形式だからこそ表現できる世界があるのだと知らされたことでしょう。そのあこがれは、今も自分の中で共鳴し続けています。
text by 関 智生

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白い夢路――「Real/Red 老婦人の庭」評

 関智生の「赤い絵」は、その名のとおり「赤一色」で描かれており、しばしば指摘されるように、それは血を連想させ、――あるいはカドミウム・レッドの毒性と結び付けられて――危険な、もしくは「タナトス」的な――岡本太郎が「戦慄的」と言った――「赤」という色のもつ誘目性によって、作品を見る者の注意を惹きつけるのだが、そうしてキャンバスの表層に着目させられるとき、関の絵画は、「赤い」と同時に、「白い」とも言わなければならない。作品の支持体は、あらかじめ白い地塗りのほどこされているクレサン社製の水彩用キャンバスである。これは点描などの細かい筆づかいを用いる画法に適しているのだが、関は水彩絵具とともに油絵具をもっぱら「点」や「線」の描画に従事させる一方、すべて赤色で、ペインティングには岩絵具を選び、しかし、日本画科で学んだ者ならば採るはずのないタッチで、生々しい筆触の痕跡を見せながら、画面に ムラ を残している。それらはけっして重なり合うことなく、「面」同士が、互いの領分を奪い合うように鬩ぎ合い、それによって挟まれ、狭く――白く――残された「余白」を、境界として出現させるのである。
 そのようにして描かれるのは、オーバーヘッド・プロジェクター(OHP)によってキャンバスに投影された、風景の「映像」である。二次元に捨象された「イメージ」を なぞる ことで、三次元の景色を平面に対応させるという、古来、絵画のもつ条件を引き受けながら、しかし、関の絵筆はタブローの側面にまで及ぶのであり、1つの画面と4つの側面で――計5面、といっても、それらは垂直に関係し合うのだが――、再び立体的な世界へと立ち返るために、それを再現前させるというよりは、むしろ現象として、目の前のタブローから空間を立ち現せようと試みているのではないだろうか。何も描かれなかった、つまり色の不在としての「余白」は、表現される植物たちの属する、それらに先立つ空虚について注意させ、――関自身がその影響を認める南画の技法のように――形象を絵具に対応させたとき、葉叢を描く一つひとつの筆触は、はじめは まっ白 だったキャンバスに色が置かれる瞬間であるというだけでなく、それによって指標される風景そのものが発生する瞬間でもある。「赤い絵」におけるまさしく「空白」 とは、それを生み出す「触覚的な筆跡」によって、画家がするのと同じように、空間を感覚すること、あるいは、把握することの よすが なのである。
 ところで、今回の個展「老婦人の庭」において、異なる種類の絵具はけっして重ねて塗られることがなかったにもかかわらず、「赤い絵」第71作目にあたり、大作としては最新作である《梅の花と廃屋》では、油絵具による点描が岩絵具の上に姿を現した。言うまでもなく――しかし、あえてそう言わなければならない――、この筆跡は、白いキャンバスの上ではなく、赤い岩絵具の上の出来事なのであり、けっして視覚的な効果としてではないが、色の「陰翳」にかくれていた別の葉の痕跡を前面に浮き上がらせることに他ならない。そこに画家の新境地を見てとることもできるが、そもそも関の個展は一連して「Real/Red」と冠されてきたのであり、「赤」は、私たちの視線を、あの「白い夢路」――あえて、そう呼んでみたい――に誘うための巧智であったし、あらためてタブローのもつ奥行きが意識されるのであれば、「赤い絵」とは、画面に映写されるように、いわゆる「リアル」に、光景を表象することが目的なのではなく、それを再生させるための装置であると言えるのではないだろうか。

飯盛 希(いさかり・まれ)
1990年 福岡県生まれ 東京大学大学院総合文化研究科 超域文化科学専攻 修士課程所属
専門は美術批評、比較芸術

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》関智生 プロフィール




河野滋子『メランコリア カオリとカタチ』

©Shigeko KONO / melancholia / 2015


展示期間2015年 5月22日(木)- 6月21日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
openthu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed
5月23日(土)18:00 ~ 19:30 作家を囲んでレセプション・パーティーを行ないます。ぜひご来場下さい。※入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARA は、河野滋子による個展「メランコリア カオリとカタチ 」を開催いたします。
河野滋子の日常は、自身の精神と格闘し続けることにあると言えます。この十数年というもの彼女は「どこにも置き場のない心」と対峙し、石塑粘土と布で人体(おそらく本人そのもの)のカタチを生みだす事で、荒ぶる精神を鎮め、彼女という存在理由を世に問うて来ました。
彼女のカタチは以前にも増して鋭さと柔らかさを獲得しながらも、今回カタチの他にもう一つ、カオリが付け加えられることになりました。
彼女は日々精神の平衡状態を求めて香りを独自に調合しているのですが、展覧会ではそれを立体作品と合体させ、作品に触れると同時に作品を嗅ぐという行為を鑑賞者に体験してもらうことにしたのです。
河野滋子の新たなチャレンジとなる今回の個展 メランコリア を、是非ご高覧ください。

》河野滋子 プロフィール




中島崇『KIKU SURU #2 NARA』

©Takashi NAKAJIMA / KIKU SURU Installation / 2015


展示期間2015年 4月9日(木)- 5月10日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
openthu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed
4月10日(金)19:00 ~ 20:30 作家を囲んでレセプション・パーティーを行ないます。ぜひご来場下さい。※入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARAは、中島崇によるインスタレーション&リレーショナルな要素を含んだ展示として「キクスル #2 ナラ」を開催いたします。
本年3月末大阪グランフロントで行なわれた【ナレッジキャピタルフェスティバル】で、関西のアートシーンに中島崇の存在を強烈に印象づけ、インスタレーション作品の醍醐味をいかんなく発揮した「キクスル」。今回は Gallery OUT of PLACE NARA の画廊空間に小さくアレンジされた状態で再び登場します。 そもそも「キクスル」は【ナレッジキャピタルフェスティバル】からの要請をうけ、人々をつむぎ、つなぎ、ついでゆくインスタレーションプロジェクトとして、2014年12月に始動し、2015年3月ナレッジプラザの巨大吹き抜け空間に設置されたものです。
しかしこの作品はフェスティバルをゴールに完結するものではなく、今後も増殖/進化していくプロジェクトとして、制作と発表を繰り返すことになっています。今回は奈良に会場を移し「キクスル #2」として展示し、来場者が直接作品にリボンを編み込み円を描いていきます。このような機会を経て、より多くの人々の思いと手技が作品に反映され密度を増していきます。
5年後10年後のキクスルを想像しながら皆様がこのプロジェクトに すすんでご参加くださる事を願っております。

》中島崇 プロフィール




内山聡『The human being to click, the animal to click, the machine to click』

©Satoshi UCHIYAMA / injected painting / 2014 / Acrylics, Bubble wrap


展示期間2015年 1月16日(金)- 2月15日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
openthu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed
1月17日(土)18:30 ~ 20:00 作家を囲んでレセプション・パーティーを行ないます。ぜひご来場下さい。※入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARA は、内山聡による新作展「The human being to click, the animal to click, the machine to click」を開催いたします。
内山聡は2005 年に多摩美術大学大学院美術研究科修了後、独自のスタンスを保ちながら積極的に作家活動を続けてきました。
飼い馴らされた絵画に疑問を投げかけ、近年は絵画を「行為」「時間」「物質」など様々な視点から解体し再構築することを制作の中心に据えています。
今回は、通信に代表されるテクノロジーの急速な発展に脅かされつつもそれを賞賛し受け入れざるをえない現代人が、その中にこそ我々のリアリティが存在するのではないか? 
徒労を繰り返す行為が人間的であり、また動物的、機械的でもあるという前提のもと、全長41 メートルにもなるエアマットを使った作品や前作Soaked Paintings の流れを汲む新作を発表します。
内山聡が提示する「絵画論」をこの機に是非ご高覧下さい。

》内山聡 プロフィール




archive -2014-

中島麦『悲しき南回帰線』

©nakajima mugi


展示期間2014年 11月7日(金)- 12月7日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
openthu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed
11月8日(土)17:30 ~ レセプション・パーティーを行ないます。
ぜひご来場下さい。※入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARA は11 - 12月期の展覧会として、中島麦による個展『悲しき南回帰線』を開催いたします。

本展は弊廊がこれまで開催して来た同作家の個展「悲しいほどお天気」(2011)、「星々の悲しみ」(2013)に続く【悲】シリーズ第三弾にあたります。
大学を卒業後12年間、様々な表現に取り組み新しい絵画の可能性を模索して来た作家の重要なターニングポイントになるこの展覧会を、是非ご高覧下さい。

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今回の展覧会は、1色の絵具を均質に塗ったミニマルな画面と複雑なテクスチャーを持つ重層的な画面という、対極にある2種類の抽象絵画によって構成されている。

ここまでは前回の展覧会で提唱した『カオスモスペインティング』※ を踏襲したものであるが、今回の2種類の異なる絵画の対比は、見方を変えれば最小単位とその集合体の補完関係でもある。

近くから鑑賞すれば両者の大きな差異が主題に見えるが、遠く離れる程に実は2つが1種類の作品に近づいていく事に気づくだろう。

更にこれらの2つは、同一のキャンバス上での固定された組み合わせでは無く、それぞれの個体は独立しており、組み合わせ自由を前提にインスタレーションされている。

何でも白黒をはっきりさせようとするシステムが加速化している現代社会が、自閉という弊害をもたらしているとするならば、私は抽象絵画が持つ構造を認識する事が、その一つの打開策になるのではないかと思っている。

抽象絵画の表面に見えているテクスチャーやインスタレーションの方法論が、或る個人の物語や思想ではなく、世界の根底を流れる社会構造を映し出し、結果、過度な自縛から私達を解放してくれる事になるのではないか…

新しい抽象絵画の構造を通して、私自身が何ものからも自由で何ものをもつなぐメディウムでありたいと考えている。

text by 中島麦

※ 平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員)に拠る。

》中島麦 プロフィール




山本 昌男 『Shizuka 浄』

©Masao YAMAMOTO gelatin silver print


展示期間2014年9月26日(金)- 10月26日(日)
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
openthu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed
9月27日(土)17:30 ~ レセプション・パーティーを行ないます。
ぜひご来場下さい。※入場無料

この度 Gallery OUT of PLACE NARA は9 - 10月期の展覧会として、山本 昌男『Shizuka 浄』を開催いたします。

世界各国で益々多くのファンを魅了する写真家 :山本昌男の新シリーズ『Shizuka - Cleanse』を中心に、これまでのシリーズからも作品をセレクトし展示いたします。 モノクロームの写真に込められた山本の研ぎすまされた美意識が堪能できる内容となっております。

新シリーズ『Shizuka - Cleanse』は、作家が居を構える山梨県八ヶ岳で出会った石や木の根を被写体にしたもので、孤立した彫刻的フォルムが暗い不確定な背景の中で静謐に撮影されています。
石のフォルム、木肌のテクチャーが、時を刻印した人物の顔や官能的な人体に、あるいは箱庭から眺望する壮大な風景にすら見えてきます。

一見新シリーズは、過去の作風と一線を画しているようでいて、実はその根底に、物体と宇宙、物体と精神との繋がりをテーマにした山本の詩学が引き継がれて表現されています。 この機に是非、山本昌男の写真世界をご高覧ください。

今回の展覧会では『Shizuka 浄』から約10点、以前のシリーズから約30点を選りすぐり展示いたします。

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浄(しずか) Shizuka

数々の宝が息を潜めて存在する気配を、私は、森の中で常々感じています。
そんな気配を私は“浄 Shizuka”と名付けました。

浄とは、きよらかな、すみきった、汚れのない、明らかな、にごりがない、といった意味です。
森を廻って地から採集した宝 “Shizuka” が発する微細な光から、私の目は、レンズは、何かを捉えることができたでしょうか。

老子(古代中国の哲学者)によって編まれたとされる道徳経に「大器は晩成し、大音は希声、大象は形無しと。」という言葉があります。宇宙の運行によって発せられているであろう大きな音のように人間には聞くことのできないたくさんの音が地球上には溢れているが人間は自分たちが聞こえる音しか存在しないかのように振る舞っている。つまり人間自身が人間の能力の限界を謙虚に受け止め自分たちが知ることのできる物事は全体からみればほんのわずか一部にも満たないものであることを認識せよ、と言った意味です。

この言葉を知って、私が感覚的に感じていた事に通じる部分がありました。計り知れない宝の存在を気配として感じていた、ということ。そして、私の感じる事のできたほんの些細なものの向こうに、ぼんやりと見える何か大きな存在が有るかもしれない…という予感と期待によって、私は“Shizuka”の採集をしてきたのだと確信しています。

“Shizuka”からの発信されている何かは、人間の五感に働きかけて来る微かな空気の流れ、大地の香り、ささやかな音やひとすじの光のようなものを通じて、私は受け取っていると感じます。
光を捉える事こそ写真技法の神髄です。写真とは人間が光を捉えたい、という意思から出て来た技法であることを改めて実感しています。

私の手によって印画紙に定着された森の宝 “Shizuka”を皆様に楽しんでいただけることを切望しております。

山本昌男

》山本昌男 プロフィール




寺田 真由美
『six foot bed -温湿シリーズより- 』

©Mayumi TERADA 2014 gelatin silver print


展示期間2014. 08.08 (fri.) - 09.14 (sun) 
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
open thu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed,
お盆の期間も通常に開廊いたします。

8月9日(土)17:30 ~ レセプション・パーティーを行ないます。ぜひご来場下さい。※入場無料

この度Gallery OUT of PLACE NARAは8-9月期の展覧会として、 寺田真由美『 Six Foot Bed – 温湿シリーズより – 』を開催いたします。 寺田真由美は2001 年よりニューヨークに拠点を置き、一貫して自作のミニチュアを用いた虚実が交錯する仮想空間を、モノクロームの写真作品として発表しています。
近年世界各国の美術館やギャラリーで作品を発表している寺田真由美ですが、Gallery OUT of PLACE においては、2010 年9 月に開催した『LIVING ABSENCE』以来4年ぶりの個展となります。
昨年より寺田は「温湿」をテーマにした新シリーズを制作しはじめています。新しく展開されつつある寺田真由美の写真世界を、この機に是非ご高覧ください。

six foot bed
このベッドに横たわっていた人は…
このイメージを観てくださる方が、それぞれにその人を想像してくださっていい。
私は、その横たわっている人に、心地よい温度と湿度を提供したかった。

》寺田真由美 プロフィール




鍵 豪 『A Distance 』

©Takeshi KAGI
A Distance 2014 type-C print


展示期間2014. 6.06 (fri.) - 07.06 (sun) 
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日)
休廊日月・火・水曜日
open thu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed,

6月7日(土)17:30 ~ 作家を囲んでレセプション・パーティーを開催します。ぜひご来場下さい。※入場無料

この度Gallery OUT of PLACE は、鍵豪による写真展『A Distance』を開催いたします。鍵が切り取る風景には、鑑賞者の甘い期待を拒絶するかの様なフラットな「冷徹さ」が写し出されています。しかし同時にいかなる欲望をも受容し、決して飽和する事の無い「奥ゆき」を湛えています。作家がここ数年他を排し、自己の内面を見つめ続けた末に辿り着いた境地が、ここに表現されています。
『A Distance』とは換算できない距離を示す。
そしてそれは、何でもない光景の中に最も端的に示される。ひとつの光景には、理解できる、理解できない、あるいは時間を掛けて理解しなければならない様々な関係(距離)が存在しており、私は作家としてその関係と向き合っているのだ。つまりこれらの作品は、視覚芸術と私の精神との間で構築してきた一つの形であると言える。
作家ステートメントより抜粋

》鍵 豪 プロフィール




関 智生 『 REAL / RED 花々と 』in 奈良

Tomoo SEKI painting
No. 59 さくらと廃屋 2012 キャンヴァス、油彩、岩 絵具、水彩 162.0x130.3cm


展示期間2014. 2.07 (fri.) - 03.09 (sun) 
開廊時間12:00 - 19:00 (木 - 日曜日 )
休廊日2月 火・水曜日
open thu - sun 12:00 - 19:00   closed on mon,tue,wed,

東京で開催した展覧会が奈良に巡回します。

外来種であれ在来種であれ今の日本に根付いた植物、自然とその環境に尊厳を与えたい。
これこそが、この国に住む人々が血を流しながらも脈々と受けついだ、触ることのできる確かな存在であるからだ。

》関智生 プロフィール

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