Mayumi Terada
寺田 真由美
Japanese living in New York, NY
2001年よりニューヨークを拠点に写真作品を発表している寺田真由美ですが、従来の写真概念に捕われることなく、その手法は非常に独創的で、見るものを"形而上的なめまい"とでも言うべきミステリアスな世界に引きずり込みます。
寺田真由美のモノクローム写真は、一見何の変哲の無い部屋の内部が写されている様ですが,実はこれは全て彼女が作った手のひらサイズの模型なのです。この小さいサイズのモノを写真はいとも簡単に実物大に引き延ばしてみせることができる、そこに彼女の作品の"第1の罠"が仕組まれています。
まるでフェルメールの絵画に見いだせるかのような静謐な光と空間もさながら、彼女の作品の魅力は見る者に言い表しがたい違和感を生じさせることにあります。それは、たとえ精巧につくられた部屋(家具や小物)でも、結局模型は決して本物にはなり得ないという宿命を我々に思い知らせると同時に、模型であろうと本物であろうと一旦写真にとられたイメージには、「確からしさ」などはなから無いというパラドックスから来る違和感かも知れません。("第2の罠")
そしてもう一つの魅力("第3の罠")、それは『亡霊』が写っているという点でしょう。
ここでいう亡霊とは、もちろん心霊写真などに見られる見せ掛けのイメージを指しているのではありません。寺田作品における亡霊とは、さっきまで存在していたはずの『あの人の不在』であり、写真に貼付いた写真家の意識の残留そのものなのです。
ワナと知りつつも私たちは寺田作品の仕掛けにまんまと絡めとられ、どこか不条理で、しかし魅惑的なめまいに襲われるのです。
profile
美術家
東京生まれ。1989年に筑波大学大学院修士課程芸術研修課を修了。
ニューヨーク在住。
個展
2007 Gallery OUT of PLACE、奈良
2007 東京日本橋高島屋、東京
2007 ロバート・ミラー ギャラリー、ニューヨーク
2005 Gallery OUT of PLACE、奈良
2005 ベイス ギャラリー、東京
2005 ホワイトルーム ギャラリー、ロサンジェルス
2003 ベイスギャラリー、東京
2002 ホワイトボックス アネックス、ニューヨーク
2001 ギャラリーサーチ&サーチ、東京
1991 ギャラリーK2、東京
1987 ギャラリーなつか、東京
グループ展
2007,08 gallerism 2007, 2008 大阪府立現代美術センター
2007 Making A Home、ジャパン・ソサイエティ、ニューヨーク
2006 Black & Blue、ロバート・ミラーギャラリー、ニューヨーク
2006 Mid carrier Artist Series two persons show、アジアアメリカンアートセンター、ニューヨーク
2006 Surrounding Matta-Clark、カルロスカルバリホアートコンテンポラレーナ、リスボン
2005 Almost、ロバート・ミラーギャラリー、ニューヨーク
2003 AIM 23 アーチストインマーケット、ブロンクスアートミュージアム、ニューヨーク
2003 メードインウッドストック、センターフォトグラフィーウッドストック、
ニューヨーク州
2002 新作選展、センターセンターフォトグラフィーウッドストック、ニューヨーク州
2002 20世紀美術は虚構を認知したか、モナリザとモンマンの間で、平塚市美術館
2001 かたちをもとめて?11人の日本人作家、釜山市立美術館
1994 KARADAがアートにになるとき—物質になった器官と身体、板橋区立美術館、東京
1991 ねりまの美術 '91—彫刻の現在—、練馬区立美術館、東京
1989 日本人作家のニューヨーク'60-'70、細見画廊、東京
1988 現代美術展収蔵作品から、東京都美術館
1987 現代のイコン—かみ と ひと と もの と ときのなかに、埼玉県立近代美術館
1986 Hunging - 吊された美術、西武美術館つかしんホール、大阪市
1986 第16回日本国際美術展、東京都美術館、京都市美術館
1986 第67回草月展、新人賞受賞、日本橋高島屋、東京
1985 第17回現代日本美術展出品、東京都美術館賞受賞、東京都美術館、京都市美術館
グラント/フェローシップ/アウォード
2006 ニューヨークファウンダーションオブアート
2003 文化庁新進芸術家海外留学
2002 AIM 23 アーチストインマーケット、ブロンクスアートミュージアム
2002 センターフォトグラフィーウッドストック エアーレジデンスプログラム
1986 草月展新人賞
1985 東京都美術館賞
コレクション
バレンシア現代美術館
東京都現代美術館
センターフォトグラフィーウッドストック
関連文献
2006 Surrounding Matta - Clark by Paulo Reis / 展覧会カタログ
2006 Galley Review 高崎雄一郎/美術手帖3月号
2006 「不在者の匂い」植木啓子/大阪人3月号
2006 「光の所在」、今月のほれぼれ/芸術新潮2月号
2005 西日本地域の話題/建築ジャーナル2月号
2005 「実語る虚と虚生む実と」田中三蔵 / 朝日新聞 12月22日
2005 「同居する不安とうあすらぎ」 岡本耕治 / 産経新聞 12月25日
2005 ひと往来 / 奈良新聞 12月5日
2005 Into the dollhouse by Julian Satterthwaite / SThe Daily Yomiuri December 22
2005 Mayumi Terada New Works by Andrew Conti, Art & Entertainment / メトロポリス#613
2005 Picture this, これを思い描いてみよ by Kevin Bartelme / ベースギャラリーカタログ
2005 Finding grace amid their simplicity, arond the galleries /Los Angeles Times, February 4
2003 「見ているうちに見つめられる感じ」菅原教夫/読売新聞9月25日夕刊
2003 「『私』の遍在と不在見せる」大西若人/朝日新聞9月18日夕刊
2003 「静かに強く誘い込まれる」中村隆夫/東京新聞9月13日
2003 「寺田真由美展に寄せて」篠原資明/ベースギャラリーカタログ
2003 Focus - Suspending Belief by Jonathan Goodman / contemporary No. 49,
2002 "Review New York Robert C. Morgan / Art Press No.283 October
2002 「ニューヨークレポート」杉浦邦恵/美術手帖 4月号 Vol.54 No.818
2002 「造形に徹し見応えに富む?韓国、釜山で日本現代美術展」名古屋覚/毎日新聞1月9日夕刊
2001 "Concept by hand" Robert C. Morgan / tema celeste January-Februaly No. 89
2001 「Review Tokyo Terada Mayumi Saatchi & Saatchi」 名古屋覚/Flash Art July-September No.219
2001 「寺田真由美ー眠り込む薔薇の美学」中村隆夫/展評 夏号008
2001 ナビゲーター「対象どう切り取るか、の秘術」田中三蔵/朝日新聞夕刊4月14日
1993 [ザ・プロダクツ もののデザインのすべて] 沖田大三郎著/グラフィック社 3月出版
1992 [ポスト・メディア論] 粉川哲夫、武邑光裕、上野俊哉、今福龍太 著、大島洋 写真/洋泉社 5月出版
1992 [メディア論]/講談社 6月出版
1992 「ART VIEW POINTS」尾崎眞人/日経イメージ気象観測 季刊リポート 日本経済新聞社 No.19 1月号
1991 「メディアの現在43 身体電影少女に見る欲望」上野俊哉/東奥日報 12月17日
1991 「透明なブラジャーを着る女」尾崎眞人/にっけいアート 日系BP社 No.36 9月号
1991 「現代美術のトポグラフィー 虚ろな肉体」 谷川渥 著、 林雅人 写真/太陽 平凡社 No.362 8月号
1991 [トランスアート装置] 篠原資明/思潮社 3月出版
1991 「ねりまの美術—現在の彫刻展」田中幸人/毎日新聞 2月26日
1990 Cretive Trends 寺田真由美/Axis 株式会社アクシス vol.37 秋号
1990 「身体にはりつけられた透明な記号性」宮本雅子/HEARTLAND GALLERY アート・ランドスケープ作品集
1989 アートギャラリー 寺田真由美作 透明なポートレート/家庭画報 世界文化社 9月号
1988 寺田真由美の透明な皮膚/美術手帖No.591 2月
1987 展覧会情報 寺田真由美個展/芸術グラフ、日本美術出版 11月号
1987 「愉快なエロチシズム—寺田真由美展」三田晴夫/毎日新聞 10月16日夕刊
1986 「超少女身辺宇宙—身辺性への偏愛に生きながら、偏狭さを脱けでた女性作家達」篠原資明/
美術手帖No.566 8月号
1986 特集 美術の超少女達—寺田真由美/美術手帖 美術出版社 No.566 8月号
1986 「吊したのは誰が—つかしんアニュアル HUNGING 吊された美術展」中村敬治/美術手帖、
美術出版社 No. 564 7月号
1986 「HUNGING—つるされた美術」"仮像の理論"における均衡(清水哲朗)/ミュージアム・レポート(西武美術館
月報)No.28 6月号
1986 「異空間と化す HANGING・ART」(卓)/ミュージアム・レポート(西武美術館月報)No.28 6月号
1986 「春の公募展第2陣を見て」斎藤泰嘉/信濃毎日新聞 5月4日
1985 「春の公募展から」米倉守/朝日新聞 5月4日
1985 「アートを遊ぶ—現代日本美術展から⑤寺田真由美『ジャンパー・ジョーンズ』」田中幸人/毎日新聞 5月4日
1985 「第17回現代日本美術展—アートの夢と冒険」/毎日新聞 4月24日