Shunji Dodo / Naomi Kawase
百々俊二 / 河瀬直美
百々俊二(どど・しゅんじ)
1947年大阪府生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒。96年、「楽土紀伊半島」により日本写真協会賞年度賞を受賞。99年、「千年楽土」により第24回伊奈信男賞を受賞。ビジュアルアーツ専門学校(旧・大阪写真専門学校)校長、日本写真芸術学会(PSJ)理事。
写真展:92年「衆生遊楽・バンコク」(銀座・大阪ニコンサロン)、95年「楽土紀伊半島」(銀座・大阪コニカサロン)ほか。写真集:86年『新世界・むかしも今も』、94年『FACES OF HUMANITY 93/94』(共著)、95年『楽土紀伊半島』、00年『千年楽土』ほか。
 
主な展覧会
1978    「大阪・天王寺」(銀座、大阪ニコンサロン) 
1985    「新世界・むかしも今も」(銀座、大阪ニコンサロン) 
1992    「衆生遊楽・バンコク」(銀座、大阪ニコンサロン) 
1995    「楽土紀伊半島」(銀座、大阪、札幌ニコンサロン) 
1999    「千年楽土」(銀座、大阪ニコンサロン) 
2000    「千年楽土紀伊半島」(奈良市写真美術館)
2002    「.com New York」(銀座、大阪ニコンサロン)
2004    「沙羅双樹」(ビジュアルアーツギャラリー)
2006    「花母」(Gallery OUT of PLACE 奈良)
2007 『花母』+『vegetable』(gallery bauhaus 東京)
 
写真集
1971    写真集「地平」創刊(?'77第10号をもって休刊) 
1986    「新世界・むかしも今も」(長征社) 
1993    「HORIZON」Vol.1(共著)  
1994    「FACES OF HUMANITY 93/94」(共著) 
1995    「楽土紀伊半島」(ブレーンセンター)
2000    「千年楽土」(ブレーンセンター) 
2003    「沙羅双樹」(河瀬直美との共著)
2006 『花母』ーははー(河瀬直美との共著)
 
受賞
1996    日本写真協会賞年度賞 「楽土紀伊半島」
1999    第24回伊奈信男賞「千年楽土」
 
 
 
河瀬 直美(かわせ・なおみ)
1989年大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校)映画科卒。
自主映画『につつまれて』(1992)『かたつもり』(1994)により国内外の映画祭で注目を集める。96年、長編劇映画『萌の朱雀』を監督。97年、カンヌ国際映画祭カメラド−ル(新人監督賞)を史上最年少で受賞し、話題を呼んだ。
97年、『杣人物語(そまうどものがたり)』(ニオン国際映画祭特別賞受賞)。2000年、『火垂(ほたる)』(ロカルノ国際映画祭国際批評家連盟賞、ヨーロッパ国際芸術映画連盟賞をダブル受賞ほか)、02年『追臆のダンス』、03年、『沙羅双樹』(カンヌ国際映画祭コンペ出品作品)、06年『垂乳女(たらちめ)』など劇映画、ドキュメンタリーを問わず監督作品を発表している。映像作品以外にも小説執筆など旺盛な活動を続けている。現在は4作目の長編劇映画となる『殯(もがり)の森』を完成し、2007年カンヌ映画祭においてグランプリを受賞。6月から国内で公開される。
 
 
 
 
写真集『花母』ーHa-Haー
百々俊二/河瀬直美 著
 
限定500部        定価28.000円  
奈良晒をあしらった特製ブックケース/郵送函入り/製本:袋とじ上製本
判型:縦400x横300mm 総頁56ページ 21イメージ
本表紙:奈良晒とアピスホワイトの継表紙 本文用紙:アピスナチュラル
editionNo.入り 作家サイン入り
 
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オリジナルプリント 価格 (Gallery OUT of PLACE 2006年12月現在)
 
 
「花母」ポートフォリオ21枚組  写真集と同じイメージです。)
edition 10組限定 イメージサイズ20x20cm  ブックマット40x50cm 
定価 1.260.000 円 (税込み)
 
単品
●シリーズ「花母」から
「桜」#1 #2  #3
「花火」#1 #2 #3
「山焼き」 の7点。
●シリーズ「沙羅双樹」からは
「朝顔」 「白粉花」 「積乱雲」の3点。
 
size 20x20cm  edition 30限定  各5.500円 
   (ただし、この30枚にはポートフォリオの10枚が含まれています。)
size 45x45cm  edition 15限定  各170.000円 
 
●「桜」(4x5ポラロイド)+ 写真集『花母』 + 河瀬直美直筆の色紙
edition 50限定 80.000円 
    (写真集、色紙とあわせての価格となります。)
 
注:
河瀬直美の肖像権が発生するイメージに関しては、単品での販売は行っておりません。
上記の価格には消費税は含まれておりません。
 
 作品「花母」は写真家百々俊二が2004年4月映画作家河瀬直美の出産シーンを克明に撮ったドキュメンタリー写真である。と同時に、河瀬直美が作家として自身の内内部に孕み、やがて産み落とされる「物語」そのもののを捉えたメタファー的作品として解釈できる。
 シリーズ中にでてくる花火や老いた桜のイメージは、生命が出現する瞬間や連綿と続く命のコードとして読み解くことができる。
 
 「花母」シリーズを、百々俊二と河瀬直美の十数年におよぶ因縁が紡ぎだす「物語(サーガ)」の一章と位置づけた時、その前々章として河瀬のドキュメンタリーフィルム「追臆のダンス」('02)  が存在している。
 写真編集者西井一夫が癌に倒れ、自身の最期(ホスピスでの一部始終)を記録するよう河瀬に依頼しできあがったのが「追臆のダンス」である。親友西井に河瀬を紹介したのが百々俊二だった。河瀬は西井の生き様を我々の"記憶"にとどめるため、「生と死」を見つめた時間をフィルムに定着させたのだった。「追臆のダンス」の中で、西井はかたくなな面持ちで写真が持つ力を熱く語り、やがて息を引き取る。
 
 西井の死の翌々年、河瀬は奈良町を舞台にした映画作品「沙羅双樹」('03)を完成させる。記憶の中に封印していた兄の死を成長したのちに弟が現実の出来事として受け入れた時、新しい命を身ごもり出産する母親の役を監督自身が演じている。この作品においても死から生へのベクトルが提示されている。
 
 この映画の制作現場を撮った百々の写真集「沙羅双樹」('03)は、あたかも未来を言い当てるがごとくその後の河瀬直美を写し出している。つまり、奇しくもその一年後河瀬は現実に妊娠し、翌年春百々は出産現場に立ち会いこのシリーズを撮影することになるのだ。
 「花母」を見る時、実話のほうがリメイク作品の如く後になって現れるという"デジャヴュ"を、我々は見せつけられることになる。
 
 こうして「追臆のダンス」から始まり「沙羅双樹」を経由し辿り着いた作品「花母」は、百々の写真世界と河瀬の映画世界が複雑に絡み合い、もはや写真でも映画でもないある「文学」的な世界にメタモルフォーゼしたものであると言えなくない。
 
 果てしなく続く死と生の循環の物語が、百々と河瀬二人の「表現装置」を通して今後どう展開していくのか、目を離すことができない。 
 
 最後に一つのエピソードを紹介しておく。
河瀬は自らが出産した胎盤を食したという。「あなたと私をつないでいた臓器は、少しなまあたたかい血の味がした。」と河瀬は語っている。母体に戻った胎盤の細胞は再び河瀬の血や肉となり、新しい物語を生み出すために増殖を続けている。 (文責:ギャラリーディレクター 野村ヨシノリ)
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